災害対応におけるドローンへの期待
近年頻発化している大規模水害や土石流災害においてドローンの有効性が確認されています。
ドローンに搭載されたカメラによる上空(俯瞰的視点)からの情報収集は非常に有用であることから、消防庁は災害対応ドローン運用推進事業の展開等により、消防本部におけるドローンの活用を推進しています。
また、これまでの情報収集を目的とした活用方法に加え、最近では被災者の救援・救助活動を支援する機能への期待が高まっています。
災害対応アナウンサードローンの利用シーン
災害発生現場へ急行し迅速に被災状況を把握
避難指示や投下した物件の使用方法を上空から伝達
救助資機材・応急手当資器材を被災者のいる場所へ搬送し投下
アナウンサードローン紹介(活用方法)
災害対応アナウンサードローンの特徴・搭載機器例
消防庁が「災害対応ドローン」に求める機能要件に準拠
ドローン機体および搭載機器は、防水性能等級3以上
動画撮影が可能なカメラを搭載し、撮影した動画を現場活動で活用
アナウンス機能
「災害対応アナウンサードローン」に搭載される「圧電スピーカーユニット」により、上空から被災者へ、避難誘導、救援・救助活動の状況、励まし等の「声」を届けることを可能とします。
上空からクリアな音声でアナウンスを伝達(可聴範囲 直線300m)
軽量(約800g)、低消費電力(5W)により、ドローンの飛行時間性能への影響を最小化
磁石を使用せずドローンの電子コンパスに影響を与えない設計
圧電スピーカーユニット
物件搬送・投下機能
「災害対応アナウンサードローン」に搭載される「物件搬送・投下装置」により、土砂災害により車両が近づけない場所にいる要救助者へ、救助資機材、飲食物の運搬することを可能とします。
[搬送・投下物件例]
救助用ロープ・救命胴衣・浮環などの救助資機材や、AED・応急手当資器材
物件搬送・投下投下装置
アクションカメラ
物件搬送・投下時に、ドローン直下の状況を確認できます。
電動GoPro(防水加工あり)
AIアナウンス機能
日本語のテキスト文章から自然なアナウンス音声を生成。
最大29の言語によるアナウンスが可能であり、外国人観光客や外国人居住者へのアナウンスにも有効。
災害対応アナウンサードローン ベース機体(国産)
アナウンサードローン紹介(機体情報)
圧電スピーカーについて
圧電スピーカーは、通常スピーカーとは異なる中高音領域を使用し、ドローン搭載に最適化しています。
ドローンのプロペラ音と放送音が干渉することなく、高度100m上空からでもクリアに伝わります。
超軽量(約500g)、低消費電力(5W)により、ドローンの飛行性能への影響を極小化しています。
※圧電スピーカーは、有限会社ZenTecの特許技術を利用しています。(特許第6749533号)
音声の特性
周波数特性(20Hz – 20KHz)
低音(500Hz以下)は音圧不足、中高音域(1kHz~4kHz)が強調されるため、人の声は明瞭で歯切れよくに聴えるが音楽には不向き。
圧電スピーカーとダイナミックスピーカーの応答性
圧電スピーカーはダイナミックスピーカーよりも応答が早く 、パルス波の振動が短時間で減衰する。
これは振動板の構造と重量の違いからくる。
圧電スピーカーの音声の到達性能
圧電スピーカーは距離による音圧減衰が小さい
圧電スピーカーの音声の到達性能